最近になって、近視進行のメカニズムが徐々に解明されてきました。
それに伴い、近視進行を予防するアイデアがいくつも出され、科学的な方法で検証されるようになってきています。
現在のところ、有効と考えられている予防法は大きく分けて4つあります。
(1)屋外で過ごし、太陽光線を浴びること
晴天時の戸外活動を積極的に行うことで、近視化を予防できることがわかってきました。
網膜が太陽光線を受けることにより、ドーパミン分泌が増え、眼軸長の伸展が抑制されるのではないかと考えられています。1日2時間以上の屋外活動が推奨されています。
(2)低容量アトロピン点眼
次に効果があると言われているのが、就寝前の低濃度アトロピン点眼です。
近年、低容量のアトロピン点眼を使用した大規模研究が行われ、近視進行を約50%抑制することができるということがわかりました。
(3)MCレンズ
至近距離を見るときに調節を手助けすることで、近視の進行を抑制することが可能だと考えられています。
この方法を取り入れたのがMCレンズです。MCレンズを装用することで、近視の進行を約15%抑制することが可能とされています。
(4)オルソケラトロジー
ハードコンタクトレンズで角膜を圧迫し、角膜のカーブを平坦にすることで近視を強制する方法をオルソケラトロジーといいます。
角膜のカーブが平坦化すると、周辺部の焦点ずれを減らし近視を抑制することができるとされています。
これらの治療法は、あくまで近視の進行を抑制するためのもので、進行を完全にストップしたり、近視が治ったりするわけではないということに注意が必要です。